Press release | 10 12月, 2019

生物多様性が危機に瀕している中で, 種の回復は希望をもたらす- IUCNレッドリスト

2019年12月10日,スイス・グラン発 (IUCN) –本日公表の『IUCN絶滅危惧種レッドリストTM 』の更新版によれば,保全努力の結果,生物10種の生息状況が改善された。以前「野生絶滅(EW)」とされていた鳥類のグアムクイナの回復もそのひとつである。

こうした改善にもかかわらず,『IUCNレッドリスト』には30,178種の絶滅危惧種が掲載されており,気候変動が悪影響を及ぼしているという証拠も増大している。『IUCNレッドリスト』には現在全体で112,432種が掲載されている。

IUCN事務局長代行のグレーテル・アギラー博士は 「この IUCNレッドリスト更新版は生物多様性の危機の真っただ中にあって,希望の光を提供してくれている。本日公表された評価で73種が減少していることを目の当たりにしたが,10種の生物の生息状況の改善の背景にある物語は、自然はわずかでも機会さえ与えられるなら回復するということを証明している。生物種が直面している数々の脅威に気候変動も加わっており,私たちは緊急な保全努力の拡大と気候変動を食い止めるため断固とした行動を必要としている。」と述べた。

「確固とした保全行動の結果としてわかったことは,政府,保全団体,地域社会が協力すれば,生物多様性喪失の傾向を逆戻りさせることができるということである。本日の更新版は,人間による活動が野生動植物に与える影響が増大し続けているということを示している。地球という惑星の将来にとって来年は重要な年になる。というのは,2020年10月に生物多様性条約会議が中国の昆明で開かれることになっているが,それを前にして,2020年6月に開催されるIUCN世界自然保護会議が種の緊急性に対処するために必要な保全課題を明らかにするための里程標となるからである。」とIUCN保全グループのグローバルディレクターのジェイン・スマート博士は述べた。

保全成功事例

IUCNレッドリストの最新更新版によると,鳥類8種と淡水魚2種の生息状況に改善が見られた。人工繁殖と野生個体群の注意深い管理とが,こうした保全成功の鍵であった。

生息状況が改善された種としては,飛ぶことのできない,速く走るグアムクイナ(Hypotaenidia owstoni)が挙げられる。この鳥は,一度「野生絶滅(EW)」と宣言されたものが回復した事例としては,カリフォルニアコンドル(Gymnogyps californianus)に次いで2番目の鳥である。太平洋のグアム島にかつては広く生息していたが,第二次世界大戦末期に偶然に侵入したヘビ類のミナミオオガシラ(Boiga irregularis)による捕食のために個体数を減少させた。1987年,この侵略的捕食者により最後の野生グアムクイナが死亡した。35年間にわたる飼育繁殖事業の結果,グアムクイナは近隣のココス島で野生個体群を確立するまでになった。しかし,この鳥は絶滅の一段階前の「深刻な危機(CR)」に置かれたままである。

モーリシャスでは,モーリシャスホンセイインコ(Psittacula eques)が保全努力のおかげで回復を続けている。保全努力のひとつとして,飼育繁殖事業が非常に成功していることが挙げられる。現在,野生下で750羽以上のモーリシャスホンセイインコが生息しており,今回の更新版により「危急(VU)」に再分類された。2007年に「深刻な危機(CR)」から「危機(EN)」になったことに次ぐ改善である。

淡水魚のトラウトコッド(Maccullochella macquariensis)とペダーガラクシアス(Galaxias pedderensis) も同じように,それぞれ「危機(EN)」から「危急(VU)」,「深刻な危機(CR)」から「危機(EN)」へと改善した。保全行動は数十年に及び,再導入と移殖による下位個体群の新たな確立を目指してきた。これら2種とも,侵略性種と生息環境の破壊・悪化に晒されている。

気候変動による悪影響の証拠が増大

気候変動は種の減少に寄与してきた。たとえば,淡水魚類,サンゴ礁に生息するタンビコモリザメなどである。今回の更新版での評価によれば,気候変動が生息環境を改変したり,極端な気候の強度と頻度が増したりすることなどにより,種に影響を与えていることがわかった。

レッドリスト更新版で,オーストラリアの淡水魚種の37%が絶滅危惧にあり,このうち少なくとも58%が気候変動の影響を直接受けていることが明らかとなった。魚類は,降雨量の減少や気温の上昇により引き起こされる極端な干ばつの影響を極めて受けやすい。気候変動は,侵略的外来種による脅威を一層悪化させている。水温や水流が変化することで,外来種の生息域が拡大するからである。

西インド洋に極限分布するタンビコモリザメ(Pseudoginglymostoma brevicaudatum)は,ここ30年で約80%も減少した。無管理漁業と気候変動に同時に晒され,本種は「危急(VU)」から「深刻な危機(CR)」へと移行した。漁業からの逃げ場がない浅海域にしか生息していないこのサメは,海洋温暖化が一部原因であるサンゴ礁の悪化により,その生息環境を失いつつある。

気候変動は,ドミニカの国鳥であるミカドボウシインコ(Amazona imperialis)を脅かしている。カリブ海は元来ハリケーンの多い地域であるが,その頻度と強度が増していることにより,住民に壊滅的な被害を与えているだけでなく,鳥類の死亡や生息環境の破壊も引き起こしている。これまで島を襲ったハリケーンのなかでも最強のハリケーン「マリア」が2017年に襲来し,本種はその後「危機(EN)」から「深刻な危機(CR)」へと移行した。現在,野生下では成熟個体は推定50羽以下しか存在しないとされている。

ユーカリ類が評価された

世界に分布する既知のユーカリ類全種が今回のレッドリスト更新版で評価された。約25%が絶滅危惧にあることがわかった。

826種のユーカリ類(ユーカリ属,コリンビア属,アンゴフォラ属)のうち,812種がオーストラリアだけに分布する。キーストーン種として,オーストラリア全体の景観を決定づけており,先住民にとっても文化的な価値を有している。危急種であるモルッカユーカリEucalyptus moluccanaをはじめとするユーカリ類は,コアラ(Phascolarctos cinereus)の唯一の食餌源であるが,ユーカリ類の生育環境の喪失により,大幅に個体数を減少させている。

ユーカリ類は,世界的に強い侵略性を有している。しかし,オーストラリアの原産地では人間による土地利用,特に農業と都市化の脅威に直面している。その結果,134種のユーカリ類が,少なくとも30%の個体数減少を起こしている。これには,危機種(EN)のロダンサユーカリ(Eucalyptus rhodantha)が含まれ,個体数が50%以上減少した。鉱業は,深刻な危機種(CR)であるムラサキユーカリEucalyptus purpurataのような分布極限種を脅かしている。

保全にとって重要な生育環境は,今では河川と陸地との間や,道路わき,牧場などに細々と残存しているだけである。

 

参考となる引用文:

「今回のIUCNレッドリスト更新版に追加された種のうち、72%は我が社からの助成で評価されたものである。2020年までにIUCNレッドリストに160,000種を掲載するという野心的な目標の遂行に向けてトヨタが貢献できていることを光栄に思う。IUCNレッドリストは、2030年のSDGs達成の指針ともなる来年のポスト2020生物多様性枠組みでの意思決定のために不可欠なデータを提供することになる。」とトヨタ自動車の山戸昌子環境部長は述べた。

 

写真と統計(要約)のダウンロードはココ.

 

より詳しい情報やインタビューの申し込みは下記まで:

 

Harriet Brooker, IUCN Media Relations, +44 7960241862, harriet.brooker@iucn.org
Matthias Fiechter, IUCN Media Relations, +41 795360117, matthias.fiechter@iucn.org
 

編集者への注

 

2019-3更新結果の注目点

以下はIUCNレッドリスト更新結果の追加事例である。

今回の更新でレッドリストに追加されたその他の種に関する事例

シシリアタイラギ (Pinna nobilis) – この地中海特産の貝の一種は「深刻な危機(CR)」としてレッドリストに掲載された。新しく発見された病原菌Haplosporidium pinnaeがタイラギ個体数の劇的な減少を,地中海全域で引き起こしている。影響を受けているシシリアタイラギ個体群の80%から100%もの大量死亡現象を引き起こしている。

カニムシの一種Giant Pseudoscorpion (Garypus titanius) – 世界最大のカニムシが「深刻な危機(CR)」としてレッドリストに掲載された。サソリの類縁種であるこのカニムシは体長1.5㎝に達し,英国領アスンシオン島沖の5haの小島に生息している。このカニムシは,アメリカゴキブリ(Periplaneta Americana)のような侵略性の捕食性無脊椎動物による脅威にさらされている。侵略的捕食者の抑制管理がカニムシの長期的生存にとっての鍵である。

キノコの一種Barbie Pagoda (Podoserpula miranda) – この稀で特異な形をしているニューカレドニア産のキノコが「深刻な危機(CR)」としてレッドリストに掲載された。豚の放飼と野生化した牛馬による森林植生の一掃と悪化が主要な脅威となっている。

保全状況が悪化したその他の種の事例

アナウサギ(Oryctolagus cuniculus) – 古くから持ち込んだ結果としてアナウサギは世界に広く分布しているものの,自然分布域であるスペイン,ポルトガル,南フランスのアナウサギは,「準絶滅危惧(NT)」から「危機(EN)」へと移行した。生態系の作出者かつキーストーン種であるだけでなく,アナウサギは危機種(EN)のスペインオオヤマネコ(Lynx pardinus)と危急種(VU)のイベリアカタシロワシ(Aquila adalberti)にとって不可欠の餌動物でもある。ウサギ出血病の勃発により70%もの個体数減少を引き起こしたと推定されている。

タナアカコロブス(Piliocolobus rufomitratus) – 世界で最も危機に瀕している25種の霊長類のひとつ。ケニアに生息する本種は生息環境の徹底的な喪失が原因で「深刻な危機(CR)」となった。洪水,農業,野火,択伐,持続不可能な木材採取により森林環境が消失しつつある。残存する森林のすべてが小面積で,その将来も不確実である。現在,アカコロブス全種が,生息環境の喪失と,多くの場合,狩猟のため,絶滅危惧種となっている。保全のための行動計画が現在,IUCN/SSC霊長類専門家グループにより作成されつつある。

マダガスカルルーセットオオコウモリ(Rousettus madagascariensis) – マダガスカルと近隣の島嶼の特産種であるこのオオコウモリは「準絶滅危惧(NT)」から「危機(EN)」に移動した。これは,ねぐらとなる洞穴内での狩猟圧によっている。専ら自家消費用に狩猟されているようで,手製のワナと棒を使い,コウモリを洞穴の天井から叩き落して捕獲する。本種はこの15年間で30%以上も個体数が減少したと考えられている。

新しい情報や方法論の結果として保全状況が変更したその他の種の事例

鳥類の絶滅– バードライフ・インターナショナルは鳥類何種かについて絶滅の可能性を再評価した。その結果,3種が「絶滅(EX)」に,1種が「野生絶滅(EW)」と再分類された。「絶滅(EX)」がインペイカマドドリ(Cichlocolaptes mazarbarnetti), カオグロハワイミツスイ(Melamprosops phaeosoma),アラゴアスマユカマドドリ(Philydor novaesi),「野生絶滅(EW)」がアオコンゴウインコ(Cyanopsitta spixii)である。

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IUCNレッドリスト: IUCN絶滅危惧種レッドリスト™』は,「2011-2022生物多様性戦略計画(愛知目標)」の目標12の達成に貢献している。目標12: 2020年までに,既知の絶滅危惧種の絶滅が阻止され,特に衰退が最も顕著な生物の保全状況が改善され,維持される。

IUCN–トヨタパートナーシップ: 2016年5月に発表されたIUCNとトヨタ自動車との5年間パートナーシップにより,世界の人口の大部分にとって重要な食糧源である28,000種以上の生物種の絶滅リスクに関する知識が大幅に向上した。このパートナーシップは「トヨタ環境チャレンジ2050」に基づくもので,自動車の負の影響をゼロにまで減らし,同時に社会にプラスの影響を与えることを目指している。

IUCNレッドリスト

2019-3 IUCN絶滅危惧種レッドリストに関する世界的な統計数値:

評価された合計種数 = 112,432

(絶滅危惧種総数 = 30,178)

絶滅(EX) = 877

野生絶滅(EW)= 73

深刻な危機(CR) = 6,413

危機(EN)= 10,629

危急(VU) = 13,136

準絶滅危惧(NT)= 6,826

低リスク/保全依存 = 192 (これは旧カテゴリーで, IUCNレッドリストからは次第に消えて行っている)

低懸念(LC) = 57,931

データ不足(DD) = 16,355

上に示した数字は,今日までにIUCNレッドリスト用に評価された種に限られている。世界に生存する種がすべて評価されたわけではないが,IUCNレッドリストは今日,種に何が起こっているかの有益な概観を提供し,保全行動が緊急に必要であることを強調するものである。IUCNレッドリスト掲載の多くの分類群について,絶滅危惧種の相対的な割合を明示することはできない。というのは,包括的にすべての種を評価したものではないからである。これらの種群の多くで,評価努力は特に絶滅危惧種に焦点を当てたものであり,それゆえ,これらの種群に占める絶滅危惧種の割合は,ひどく偏ったものとなっている。

すべての種が包括的に評価された分類群では,絶滅危惧種の割合を計算することができる。しかし,絶滅危惧種の実数は,しばしば不確実である。というのは,データ不足種(DD)が実際に絶滅危惧なのかどうかわからないからである。それゆえ,上に示した割合は,包括的に評価された分類群(絶滅種を除く)に関する絶滅リスクの最善の推定値である。これは,データ不足種はデータが十分な種と同じ割合で絶滅危惧であるという仮定に基づいている。換言すれば,これは,絶滅危惧種x %(DD種はすべて絶滅危惧でない)からy %(DD種はすべて絶滅危惧である)までの範囲にある中央値でもある。利用できる証拠に基づけば,これが最善の推定値である。

IUCNレッドリストの危惧のカテゴリーは,以下のとおり。上のほうが危惧が高い。

「絶滅EX」または「野生絶滅EW

「深刻な危機CR,「危機EN」,「危急VU: 地球規模で絶滅危惧にある種。

「準絶滅危惧NT: 絶滅危惧カテゴリーの閾値に近い種,もしくは現在の保全措置が中止されると絶滅危惧になる種。

「低懸念LC: 絶滅の危険性が低いと評価された種。

「データ不足DD: 不十分なデータのため評価できなかった種。

「深刻な危機CR(絶滅した可能性): これは新しいIUCNレッドリストカテゴリーではないが,おそらくすでに絶滅しているものの,最終確認を必要とする「深刻な危機CR」種を特定するために設けられた標識である。たとえば,より広範な調査を実施することにより,個体を発見することができないことを確認する必要がある。

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IUCN絶滅危惧種レッドリスト

『国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト™』(または『IUCNレッドリスト』)は保全行動と政策決定の指針となる貴重な資源である。これは地球の健康チェック-生命のバロメータである。植物,動物,菌類の世界的な保全状況に関する最も包括的な情報源である。保全対策がない状況下での,その種の絶滅リスクを評価するための客観的な制度に基づいている。

評価対象となるすべての種は,個体数の動向,個体群のサイズと構造,地理的分布範囲に関する基準に合致しているかどうかに基づいて8つのカテゴリーのどれかに当てはめられる。「深刻な危機(CR)」,「危機(EN)」,「危急(VU)」に分類された種は,全体として「絶滅危惧(threatened)」と表現される。

IUCNレッドリストは種名と絶滅危惧カテゴリーをただ登録したものではない。当該種への脅威,生態学的要件,生息地に関する情報,絶滅を減じたり,絶滅を防いだりするために用いる保全行動に関する情報の大要を詳述したものである。IUCNレッドリストは,IUCNとIUCN種の保存委員会(SSC)の共同作業であり,IUCNレッドリストパートナー であるアリゾナ州立大学,バードライフ・インターナショナル,植物園自然保護国際機構,コンサベーション・インターナショナル,ネイチャー・サーブ,英国王立キューガーデン,ローマ・サピエンツァ大学,テキサスA&M大学,ロンドン動物学会と協力している。この作業は,レッドリストパートナーの不可欠な貢献により可能となっている。 https://www.iucnredlist.org  Facebook  Twitter                    

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IUCNは会員制の連合体で,政府機関と市民社会両方から構成されている独特な組織である。公的機関,民間,非政府機関に対して,人類の進歩,経済発展,自然保護が同時に起こるべく,知識と手法を提供している。

1948年に設立された IUCNは,世界最大かつ最も多様な環境ネットワークであり,1,300もの会員組織と15,000名もの専門家の知識,資源,拡がりを有している。保全データ,評価,分析に係る主導的な提供者である。広範な会員がいることで,IUCNが,ベストプラクティス,ツール,国際標準のインキュベーターかつ信頼に足る集積所としての役割を果たすことを可能にしている。

政府,非政府機関,科学者,企業,地域社会,先住民など,多様な当事者が,環境課題の解決策を構築,履行し,持続可能な発展を成し遂げるために,協働できる中立的な空間を提供している。

多数のパートナーやサポーターと共同で作業することで,IUCNは世界中で広大かつ多様な保全事業を実行している。最新の科学を地域社会の伝統的知識と融合することで,こうした保全事業は生息環境の喪失を逆戻りさせ,生態系を復元し,人々の幸福を高めるために機能している。www.iucn.org.

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植物園自然保護国際機構(BGCI)について

植物園自然保護国際機構(BGCI) は絶滅危惧植物の世界的な保全を確実にするために存在する国際組織であり,その存続は貧困,人類の幸福および気候変動を含む地球規模の問題に本質的に関係している。BGCIは,世界118カ国にある700以上のメンバー(主に植物園)を代表している。私たちは,メンバーと広範な保全コミュニティを支援し,活力を与え,彼らの知識と専門性が,すべての植物の3分の1が直面している絶滅危惧の脅威を逆戻りさせるために応用できるよう目指している。http://www.bgci.org.

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英国王立キューガーデンについて

英国王立キューガーデンは世界的に有名な科学組織で,その傑出した植物収集と英国と世界中の植物多様性,保全,持続可能な発展に関する専門的知識の点で国際的に尊敬されている団体である。キュー植物園は,国際的訪問客にとっても大きな呼物である。キューにある132ヘクタールの庭園とウェイクハースト・プレイスにある植物園には,毎年200万人もの人が訪れる。キューガーデンは,2003年7月に世界遺産に指定され,2009年には250周年記念を迎えた。ウェイクハースト・プレイスにはミレニアムシードバンクの施設があり,ここは世界で最大の野生植物の種子バンクである。キューの科学的活動の対象は100か国以上に及び,世界中の400以上の協力研究施設が関与している。www.kew.org. ギニアの熱帯重要植物区については,Kew’s work を参照のこと。

ローマ・サピエンツァ大学について

700年以上の歴史と11万人もの学生を有するサピエンツァ大学は,ヨーロッパ最大の大学であり,都市の中にある都市とも言われるカイロ大学に次ぎ世界で2番目の規模である。サピエンツァ大学は,11学部,67学科から構成されている。4,500人以上の教授と5,000人もの事務・技術職員がいる。サピエンツァ大学では,様々なコースがあり,300種類の学位と200の専門資格を取得することができる。ローマ以外から入学する学生は3万人,留学生は7,000人以上に上る。サピエンツァは,ほとんどすべての分野で重要な科学的調査を計画し実施しており,国内レベルでも国際レベルでも高標準の結果を達成している。ユーヘニオ・ガウディオは,2014年11月からサピエンツァ大学の学長を務めている。http://www.uniroma1.it.

テキサスA&M大学について

1876年にテキサスでは初めての小規模な公立大学として開学して以来,現在では5,200エーカーのキャンパスを有し,国内有数の学部を持つまでになったテキサスA&M大学は,陸地,海洋,宇宙に関する公的支援を受けられる数少ない指定大学である。入学生は,男子と女子が半々で,新入生の25%は家族の中で初めて大学に入った人たちである。ここでは,39,000人以上の学部生と9,400人以上の大学院生が世界レベルの研究プログラムと受賞歴のある教授陣に接している。テキサスA&M大学はほかに2か所のキャンパスがある。テキサス州のガルベストンと中東のカタールである。10のカレッジを持つこの研究主体の大学は最近,回収率(教育経費に比べ,どれだけの利益を得られるか)の点で,「スマートマネー」という雑誌により1位に格付けされた。2011年版の米国ニュース・ワールドレポートは,テキサスA&M大学を公立大学の中では,「グレートスクール,グレートプライス」カテゴリーで2位に,私立も加えると22位に格付けした。多くの学位取得プログラムが国内でトップ10にランクされている。www.tamu.edu.  

ロンドン動物学会(ZSL)について

ロンドン動物学会(ZSL)は,野生生物が繁栄する世界を創造するために国際的に活動している保全慈善団体である。動物が被る健康脅威の調査から人々と野生生物の共存への支援に至るまで,ロンドン動物学会は野生生物を絶滅の縁から救うために尽力している。私たちの仕事は,私たちの草分け的な科学的研究,世界中の野外での保全,ロンドン動物園とウィプスネイド動物園への何百万人もの関与を通じて実現している。www.zsl.org.